人にやさしい住環境を提案するプロを目指す

福祉住環境コーディネーター@仕事&試験情報

高齢者の方が、なるべく自立をして、安心して生活できるために。

ここまでお話ししてきたことは、福祉住環境コーディネーター(FJC)の、将来的なお話にやや偏っていたかもしれません。では、いま現在、FJCとはどんな存在であるのか?その仕事内容からお話ししていこうと思います。

FJCはどんな仕事をする人か。端的にお話しすれば、FJCとは、福祉・医療・建築関連の幅広い知識を身に付け、各専門家と連携しながら、高齢者や障害をお持ちの方個人に、最適な住環境をコーディネートする専門家のことです。

多くの人々は、たとえ何らかの障害をお持ちでも、住み慣れた自宅や地域で暮らしたいと願っています。たとえば痔の手術で3日間入院。その方には失礼ですが、人はそれしきりのことでも、「早く我が家に帰りたい」と思うものです。障害をお持ちの方は、障害との闘いがずっと続きます。できれば自宅で暮らしたいと願うのが当然なのです。

そして高齢者の方が、できる限り自宅で自立して暮らすためには、私たちホームヘルパーの援助はできるだけ減らした方がよいのです。食事の「介助」の必要がなければ、自分でお茶碗と箸を持ってご自分で食べた方がよい。食事の「支度」も、自分でできる方でしたら自分で台所に立った方がその方のためです。

しかし、そのためには、住環境整備が大変重要な課題になります。自宅内での転倒や火傷、ドア・廊下などのぶつかりによる事故に、十分配慮する必要があります。また「寝たきり高齢者」になる可能性のあるお年寄りを、寝たきりにさせないためにも、室内での移動をもっとスムーズにしてあげるなど、住宅構造上の不都合を解消する働きかけなどが大切になります。

FJCはそのよう高齢者や障害をお持ちの方の住環境について、かかりつけ医や理学療法士(医療)、ホームヘルパーや介護福祉士、ソーシャルワーカー(福祉)、また建築士やインテリアプランナー(建築)など、それぞれの専門家の意見を調整し、個々の方に適した住環境を提供するためのコーディネートをします。

いまのところの実際は、上記の福祉や建築分野の従事者が、FJCの資格を併せ持つことで、住環境の課題に応えている面があります。
たとえば私も介護ヘルパーですが、介護を必要としている方と日頃から自宅で接している人が、やはりその方の住環境の課題に気づきやすいのです。「トイレに簡易手すりがあったらいいな」とか、「茶の間と台所の段差がなければいいのに」とか、ご自宅を訪問するなかで気づくことが、私もよくあるのです。

また住環境の改修には、当然お金の問題も発生します。FJCは介護保険制度のひとつである「住宅改修給付制度」のことなども考慮しながら、高齢者や障害者の方の居住空間を整備します。

 

 次のページ